ゴーゴー嬢と3P!?

ゴーゴー嬢と3P!?

ビールを飲みながら彼女の後ろ姿を見つめる。ダンス中にポジションを移動することがないようで、なかなか彼女を正面から見ることが出来ない。時折見せる横顔に、きっと美人に違いないと想像し期待に胸が膨らむ。

しばらくして彼女のダンスタイムが終わった。これで顔を確認できるかもしれないと行方を追っていると、彼女はステージを降りて我々とは反対側の通路を歩き、奥の席に仲間たちと座ってしまった。我々からはほとんど見えない位置で、さらに確認がしづらくなった。

「全然顔が分からん。どうしよ?」

「行って見てくれば?」

このまま待っていても時間ばかりが過ぎて進展がない。弟の言うとおり彼女の見える位置まで行ってみようと席を立つ。適度な距離を保って立ち止まり、彼女の顔を確認する。こちらが見に来たことがバレないようにと距離をとったつもりだったが、彼女はすぐに気づいたようで、優しく私に手を振ってきた。慌てて手を振って返したが、こちらの意図に気づかれて恥ずかしくなり、そのままトイレに行くフリをして立ちさり、自分の席に戻った。

「どうだった?」

「優しかった笑」

「なんだよ、それ?」

「向こうに気づかれたけど手振ってくれた笑」

「可愛いかった?」

「たぶん笑。あんまりよく見えなかったけど」

「ちゃんと見てきなよ笑」

「恥ずかしくて無理だ。ちょっと見て来てよ笑」

「え?オレが?なんでだよ笑」

「いいから見て来てよ。2回も見に行けないもん笑」

「しょーがねぇな。じゃあちょっと見てくる笑」

そう言って彼女達の方へ向かって行き、しばらくして席に戻ってきた。

「どうだった?」

「わからん笑」

「は?なんでよ」

「そばに良さげなコがいてそっちに気を取られた笑」

「マジで?可愛いかった?」

「まあまあ。髪赤かったけど笑」

「オレの彼女とどっちが可愛い?笑」

「ホントにわからん笑 ちゃんと見なかった」

「なんだよ、それ。もう一回見て来てよ」

「嫌だよ、2回も行けないよ笑。自分で行って来なよ」

「オレも嫌だよ。何度も見に行ったら変でしょ笑」

そんな話をしながらビールを飲んでいると、彼女達のほうからこちらにやってきた。

「あ、こっちに来るっぽい笑」

「ホントだ笑」

「あの赤い髪のコか?笑」

「そう」

「なんかもう1人いるけど?」

「それは知らない笑」

私が目をつけていた彼女と弟の赤髪、もう1人若そうだけどややぽっちゃりした女の子の3人が我々の席の前に来た。

彼女の顔をようやく見ることができた。おそらく20代後半だろう。若くはないことはすぐに分かった。その代わりに大人の落ち着いた雰囲気がある。黒髪のロングヘアーがいっそう大人の女を感じさせる。胸はほとんどないようだが問題ない。手足が長くて好みのスタイル。後ろから彼女のダンスを見ていた時の想像とは少し違ったが、彼女の手を取り、隣りに座れるようにスペースを空けた。

一方、赤髪は彼女より若そうだ。やはり細身ですらっとしたスタイル。キリッとした顔立ちで気が強そうに見える。いつも童顔で幼そうなタイプを選ぶ弟にしては珍しく、どちらかというと私好みの美人タイプだった。弟も目当ての女の子が自分の所に来たことで、喜んで彼女を迎え入れた。

「名前はなに?」

「ヨシ。あなたは?」

「P」

「よろしくね」

私は隣りに座った彼女と改めて挨拶し握手をする。細くて綺麗な手をしていた。彼女は私の手を離さず、そのまま自分の膝の上に乗せて軽く手を添える。

「彼女は私の妹。一緒にいい?」

私の前に立っていた女の子。かなり若そうで顔も悪くないがややぽっちゃり気味。私の好みからは外れる。Pとは全く似ていないから、またよく分からない姉妹関係なのだろう。Pにそう言われて要らないとも言えず、隣りに座ってと言って受け入れた。妹は丁寧にワイをして私の隣りに座った。良いコだ。

全員が落ち着いたところで彼女達のドリンクをオーダーし、皆で乾杯をする。

「どこから来たの?」

「日本」

「日本人なの?」

「そうだよ。」

「日本人じゃないと思った」

「なんで?」

「日本人は私を好きじゃないから」

Pは私の手の甲を触りながら優しそうな笑顔で静かに話す。大人の女らしい落ち着いた雰囲気に癒される。

「どういうこと?」

「日本人は私の顔が好みじゃない。おっぱいも小さい笑」

私はまじまじと彼女を見る。確かにおっぱいは無さそうだが顔は嫌いじゃない。

「はは、ホントだ。おっぱい小さいね。可哀想に笑」

そう言うと彼女は私の手をバシッと叩く。

「日本人は彼女が好き。若くてナイスバディ」

隣りの妹のことを言う。

「ナイスバディ?プンプイでしょ?笑」

今度は隣りで聞いている妹がスネて私の腿を叩く。

Pの話は本当なのだろうか。私の好みから言えば迷いなくPを選ぶのだが、多くの日本人が違うと言うのなら私がアウトローという事になる。だが他人の好みなどどうでもいい。

「あなたは私のタイプだよ。あなたは綺麗」

「ありがとう」

彼女は礼を言って優しく手を握った。

ふと隣りを見ると、赤髪を膝の上に乗せた弟がはしゃいでいる。この様子だと今日はこのコで決まりだろうと、私もPに専念することにした。

いつの間にか彼女達のグラスが空いていたので、弟と赤髪も誘って全員分のテキーラをオーダーした。ジャンケンをしたり、スマホのアプリでゲームをしたりで負けた者が飲む。テキーラを追加して何杯か飲むとやはり酔って楽しくなってくる。皆も酔っ払い始めて盛り上がる。酔ってくると何故か言葉の壁が取り払われ、そばにいる女の子達が皆可愛く見えてくる。一石二鳥だ。

随分と酔いがまわってきた頃、弟の前に知らない女の子が来た。どうやらPや赤髪の友達らしい。ほんわかしていてなかなか可愛いじゃないか。そうか友達なのかと仲間に取り込んでテキーラを追加する。こうしてしばらくの間テキーラで盛り上がる。

彼女達にドリンクを出したからといって、ダンスの順番が免除さることは無いようで、時折P達はダンスをしにステージに戻っていく。これだけテキーラを飲んでもPは激しくダンスを踊っている。酒が強いのか酔っ払ってるのか、見てるこっちが吐きそうになる。そんな事を思いながら彼女のダンスを眺める。

あとから来た女の子はP達とはダンスの順番が違うようで、我々の席に残っていた。弟となにやら楽しげに話をしている。

「ねえ、俺このコと帰りたいんだけどいい?」

「え⁉︎急にこっち⁉︎ 赤髪は⁉︎」

「だよねえ、赤髪に悪いよねえ。。」

「散々赤髪と遊んどいてこのコにするの?」

「赤髪でもいいんだけどさ、どちらかというとこのコがいい笑」

「おまえ、すげぇな笑 オレ怖くてそんな事できない」

「マズいかな?笑」

「知らん笑 このコはいいって言ってるの?」

「言ってる。大丈夫だって。」

「そうなの?赤髪と友達なんでしょ?自由競争すぎるぞ笑」

「俺も分からんけど、本人がいいって言うんだから大丈夫でしょ笑」

「そういう問題じゃないよ、モラルの問題だよ笑」

「金払うの俺だし笑」

そんな話をしている所にPや赤髪達がダンスを終えて戻ってきた。話を一旦打ち切る。

どっちにするにせよ弟からペイバーの話が出たので、私もPにペイバーを打診してみる。

「P、一緒にホテル帰れる?」

「ショートタイム?」

「ロングタイム」

ペイバーすると言えば喜んでくれると思って聞いたのだが、なんだかハッキリ返事をしない。ロングのペイバーを嫌がっているのだろうか。

「ショートタイムだけ?」

「私はロングタイムでオッケー。でも私は妹と一緒に住んでいるから、妹が家に帰れない。」

「なぜ?」

「カギは私しか持ってない」

ならば妹にカギを渡せばいい話では?と思うのだが、なんだか理由があるようでダメらしい。ではショートタイムでペイバーか、とも思うが、かなり酔っ払っていてホテルに帰ってすぐ出来る自信がない。ショートでは無駄になってしまう。だがPを諦めて、この時間からまた別のコを探すのも面倒なことだと悩む。

「もしあなたが妹もペイバーしてくれたらロングタイムでオッケー」

Pがそう言う。

妹をペイバーするとなぜロングが大丈夫になるのかよく分からない。

「なんで?」

「私も妹もあなたのホテルに帰る。」

「えー!」

予想外のPの提案にテンションがあがる。ペイバー代の1000Bが余計に掛かって勿体ないし、なんだか色々と騙されているような気もする。だが私の頭の中にはすでに、女の子2人に挟まれて川の字で寝る自分がいる。場合によっては3Pもあり得るのか⁉︎などと想像する。私はPの提案に乗ることに決めた。

一方で、隣りから声が聞こえてきた。

「ごめんね、俺はこのコが好き」

振り向いて隣りを見ると不穏な空気が流れていた。どうやら弟が赤髪を切り捨てたようで彼女に謝っている。

赤髪は声を荒げて怒るようなことはしないが明らかに不機嫌になっている。彼女のプライドがあるのだろう、この場から立ち去ったりはせず、冷静を保つかのようにじっと座っている。Pも事態を理解したようだったが何かを言う訳でもなく見守っている。先程までテキーラを飲んで盛り上がっていたとは思えない、気まずい沈黙が続いた。

沈黙を破るように弟が私に言う。

「ねえ、そっちどうなった?ペイバーするの?」

「するけど」

「じゃ、もう出ようよ。早く出よう」

「なんで?笑」

「怖い笑」

怖いのは自分の勝手だったが、私もこんな空気に巻き込まれて気まずい思いはしたくない。そう考えてチェックビンをすることにした。ペイバー代と飲み代を払い、P達に着替えてくるように言う。彼女達が着替えに立つのと一緒に赤髪も席を離れる。去り際にいくらかのチップを渡している。

「ふう、怖かったぁ」

「勘弁してよ、こっちまで怖かったわ!」

「だってあのコの方が優しそうなんだもん笑」

「そんな理由?それだけ?毎回毎回タイ人に対して雑なんだよ。赤髪ちょー可哀想だった」

「雑ってなんだよ。まあ確かに赤髪に可哀想なことした。。」

ホッと一息ついていると彼女達が着替えから戻って来た。もう充分に酔っているし時間も遅い。弟と話をしてホテルにまっすぐ帰ることにする。

バーを出てソンテウの乗り場まで行こうと歩き出す。

「ちょっと聞いていい?なんで妹もいるの?」

「ペイバーしたから」

「なんで?どこ行くの?」

「一緒にホテルに帰る」

「え⁉︎3Pすんの⁉︎」

「しないわ!」

「どういう事?」

「一緒に住んでて帰れないから一緒にホテルに来るんだって笑」

「マジかぁー、いよいよ3Pかぁー」

「ちょっと、オレの話聞いてる?」

「いや、すげえーな3P」

「しないって!」

「てかさ、P、なんか屋台のおばさんみたいじゃね?笑」

「おまえさぁ、赤髪あんだけ傷つけて今度はオレの女ディスるのやめてくれるかな?笑」

「屋台のおばさんとその娘。すげぇーな」

「娘じゃなくて妹な。。」

我々を乗せたソンテウがSoi7付近に近づき、ブザーを鳴らして降りる。ホテルの前まで来て、もしかしたら1人分の連れ込み料みたいなものを取られるかもしれない事に気づく。ホテルに入り、フロントを無視してエレベーターまで行ってみる。昨夜はIDを出すようフロントに呼び止められたが今日は何も言われない。そのままエレベーターに乗り込む。DはIDを忘れてわざわざ取りに帰ったのに今日は何も言われなかった。その日の担当者次第なのだろうか。とにかく無駄な出費が抑えられて助かった。そんな話をしながら弟達と別れ、それぞれの部屋に帰った。

部屋に入ると、気持ちが緩むのかいっそう酔いがまわってきたように感じる。やはりロングにして良かった。今日はもう寝てしまいたい。そう思って先にシャワーを浴びる。

シャワーから出ると2人はベッドの上で各々スマホをいじり、おとなしくしていた。本来ならこのシチュエーションを楽しみたいところなのだが、今はもう眠くて仕方がない。

「P、酔っ払った。先に寝ていいか?」

「大丈夫?」

「大丈夫だけどすごく眠い。だから明日の朝ね笑」

「オッケー」

何が明日の朝なのか分かってはいるだろう。Pはサラッと返事をして、私を寝かしつけるように隣りに寄り添う。彼女の優しい空気に包まれて私はそのまま眠ってしまった。

朝方目が覚める。一瞬いまの状況が分からずスマホの時間を見る。まだ6時前だ。隣りにPと妹が眠っているのを見て、昨夜自分だけ先に眠ったことを思い出す。私が思い描いた川の字ではなく、川の真ん中には私でなくPが寝ていた。

さて、このシチュエーションでどうしたものか。昨夜は酔った勢いでエロい妄想をしながら2人を連れてきてしまったが、シラフになるとどうも気がひける。とりあえずタバコでも吸いに行こうと部屋を出てホテルの下へ行く。目の前のコンビニで牛乳を買い、ホテルの前でタバコを吸いながら考える。Pと妹の両方に手を出したらチップも2人分になるのだろうか。いや当然そうなるだろう。ロングのチップ2人分払ってまで3Pをすることに興味がない。そうなると妹の寝ている隣りでPとやることになるが、そんなことを朝からシラフで出来るだろうか。考えがまとまらないままタバコを消して部屋に戻る。部屋に入って歯磨きをし、ベッドに戻るとPが目を覚ましたようだった。

「どこに行ってたの?」

「ホテルの外でタバコを吸ってきた」

彼女はまだ眠り足りないようで私の腕に頭を乗せて目を閉じていたが、そのうちムクッと起き上がりシャワーを浴びに行った。

ベッドに妹と2人になると急に妹が気になりだす。こちらに背中を見せて横になっているが眠っているのだろうか。少しちょっかいを出してみたくなる。妹に近づいて背中からゆっくり抱きしめてみた。何も言わないが何となく起きていることが分かる。ムチムチのお尻や腕を揉んでみる。なるほどたまにはプンプイも抱き心地が良くていいな。などと思いながら彼女を抱いたままPを待つ。

しばらくしてPがシャワーから出てくるのが分かった。妹に抱きついて寝てるぐらいならご愛嬌だろうとそのまま寝ていると、お尻を軽くピシッと叩かれる。さあ、おまえの相手は私がするぞ。そんな合図のように思えた。

私が妹から離れるとPはベッドに潜り込んで私に抱きついてきた。妹がいるけど始めちゃっていいの?と躊躇する間もなくキスをして始まった。

誰かに見られて興奮するような癖はないようで、横に妹が寝ている状況では思う存分楽しむことができず、静かにつつがなく終わった。こんな状況ならいっそ割り切って3人でやった方が良かったかな、などと思う。コトが終わってPが再びシャワーを浴びに行く。妹は微動だにしないが起きてはいるのだろう。なんだか恥ずかしいような気まずいような、そんな気分になる。Pはシャワーを浴びて出てくると妹に声を掛け、すぐに起き上がった妹と2人で着替え始める。やはり妹は起きていたようだ。

朝から妹は一言も声を発していないが大丈夫だろうか。私がイタズラをしたことに腹を立てたりしていないだろうか。少し気になりながら2人が着替えるのを黙って眺めていた。

着替えが終わったPにチップの4,000Bを払う。手元に残っていた200Bを妹にあげた。

「帰るね」

「下まで送るよ」

「ありがとう」

2人をホテルの下まで送る。Pが近くにいたモタサイに声を掛ける。そして2人が乗るとモタサイは勢いよく去って行った。Pは振り返って私を見ることはなかったが、妹が振り返って私に手を振ってくれた。なんだかそれがとても嬉しくて、この一瞬でホントに楽しい夜だったなと感じることができた。

(次回に続く)