ゴーゴー嬢はお金持ち⁈

ゴーゴー嬢はお金持ち⁈

HAPPYに到着して店内に入る。独りでゴーゴーバーに入るのもこれが初めてだ。正面ステージの階段が真正面に見える席に案内されてビールをオーダーする。。ダンスを終えた嬢達がステージから降りてくるのが確認出来る。

Dはすぐに見つかった。私のその席の真正面でゆらゆらと踊っていたからだ。会いに行くと伝えてはいたものの時間は深夜0時をまわっていた。この時間までおとなしく待っているものか不安があったが杞憂に終わった。

客観的に見てもDは綺麗だと思う。彼女がステージに立っていれば目に付くし、呼んでペイバーを打診する男が少なからずいる筈だ。なのにこの時間にまだステージにいるのは偶然売れ残っていたからだろうか。いや、次々と掛かる男達の誘いを断って私を待っていたに違いない。そう思うことにした。そして気分が高まる。

オーダーしたビールが届いた頃、彼女のダンスの順番が終わったようだった。ステージから降りてそのまま私の隣りに座った。相変わらずの薄笑いを浮かべてやってきたが何も言わずに黙っている。とりあえず1ドリンク勧める。

「来るのが遅くなった。ごめんね」

「どこに行ってた?」

「弟のレディーを探してた」

「バカラ?」

「そう、バカラ。あとパレス。」

「ふーん」

「ギンザは知ってる?」

「知らない」

「センセーションズの近く。彼は今レディーとギンザで飲んでる」

「あなたの弟はいつもレディーが違う笑」

「そう。彼はバタフライでしょ笑」

「あなたも同じでしょ笑」

「なんで?オレはいつもDだけ!笑」

「マイペンライ笑」

私がDに会うのは今日で3回目だ。前回の旅行で初めて会ってから2晩続けて彼女と過ごし、翌日のヴィサカブーチャの日に彼女は故郷に帰っていった。そして今日パタヤに来て初日。甲斐甲斐しくもまたDに会いに来たのだ。彼女がパタヤにいて私がパタヤにいる時は全てDと一緒にいることになる。そんな健気な相手にバタフライでマイペンライだとは随分と寂しい事を言うじゃないか。だがいかにもDらしい答えだ。彼女はいつも私に疑似恋愛をする余地を与えない。

そういえば彼女が故郷に帰ると言った時、いつ戻るか分からないと言っていた。私はそれを、もうパタヤには戻らないかもしれないというニュアンスで聞いていたが、まだ彼女はここで働いている。帰ったはいいがお金が無くなって結局戻ったのか、ただの私の勘違いだったのか。いづれにせよ、こうしてまたDに会えたのは嬉しかった。変わらず綺麗なDを見てそう思った。

飲んでいるビールが無くなったので弟にラインを入れてみると、しばらくして返事がきた。いつでも合流可能なようだ。Dにペイバーの旨を伝えてバーにペイバー代とドリンク代を払う。Dが着替えから戻るのを待って再度弟にラインを送り、彼女とHAPPYを出た。

Dと二人でGINZAの前まで行くと、ほとんど待つことなく弟が出てきた。すぐ後ろには小リスちゃんもいる。先程まであっちゃんとイチャついていたのを見ている小リスちゃんの前に、違う女の子を連れて現れるのは少々照れくさかったが、彼女はそんなことを気にする様子も無く、軽く挨拶をして合流した。

「どうする?軽くご飯でも食べに行く?」

「なんかセブンに寄ってホテル行くって言ってるから、それでいいんじゃない?」

弟がそう言い終わる前に小リスちゃんがセブンイレブンに入って行く。

「D、ご飯を食べに行く?」

「Up to you」

「じゃ、セブンに行ってホテルに帰る。いい?」

「OK」

小リスちゃんの後を追ってセブンイレブンに入り、買い物をする。ここで買わなくてもホテルの前にコンビニがあったな。と思いながらも二度手間になるのも面倒なので、ビールを数本と軽くおつまみを購入。Dにも言って好きなものをカゴに入れさせる。ウィンナーと海苔のお菓子、謎のエキスに歯ブラシなど。Dはこの前もウィンナーを買っていたような気がして、お前はウィンナーが好きなのか?とゲスな質問をしてみると、お前と同じだ、と言う。いやオレはウィンナーが好きということはないぞ?と思ったが、そうではなくて私のソンのサイズを言っている事に気づく。なんと屈辱的な。

買い物を終えてソンテウ乗り場からソンテウに乗る。コンビニで温めてもらったウィンナーをDは早速食べている。ホテルまで我慢出来ないほどウィンナーが好きなのか?と言おうと思ったが言葉が分からずに飲み込む。弟はDから貰ったウィンナーが予想外に辛かったようで悶絶している。Dもそれを見て笑っている。楽しい夜だなとしみじみ感じた。深夜のソンテウはいつも私にパタヤの有り難さを教えてくれる。

セカンドロードを軽快に走るソンテウはあっという間にSoi7に到着し、ブザーを鳴らして降車した。

ホテルに入るとフロントから呼び止められて、女の子達のIDカードを預けるように言われる。Dは一瞬バッグを探ったがすぐに気がついたようで、

「IDを忘れた笑」

「え?」

そう言われて少し戸惑う。忘れると絶対ダメなのだろうか?よく分からないが、彼女とは今日が初めてではないし、ホテルには彼女は友達だとでも言えば問題ないかもしれない。そう考えてフロントに伝えようとすると、

「取りに行くから待ってて」

「どこに?」

「私の部屋笑」

「えー?」

「すぐだから大丈夫。待ってて」

Dはそう言って足早にホテルを出て行った。

待つって一体どのくらい待つのだろう。私はDがどこに住んでいるのか知らないので全く予想がつかない。まさか彼女が戻って来ないということはないだろう。まあ仕方がない。部屋に戻って待つこととする。小リスちゃんは、そんな事は我関せずと弟を連れて早速と部屋に上がって行ってしまった。全く冷たいカップルだ。

独りで部屋に戻り、買ってきたビールを開けて飲む。なんだか寛ぐスペースも無くて落ち着かない。2、3口飲んで、飲むのをやめた。そうだ、今のうちにシャワーを浴びておこうと思い立ってシャワールームへ行く。さすがにまだ電話が鳴ることはないだろうが、万が一に備えてスマホを洗面所まで持って行き、シャワーを浴びた。今まで考えたこともなかったが、ゴーゴーバーで働く彼女達は一体どんな所に住んでいるのだろうか。私の勝手なイメージで、繁華街から離れた寂しげな場所から毎夜通ってくるのだろうと想像したが、Dはすぐに戻ると言った。という事は案外とこの近辺のマンションなどに住んでいて結構快適な生活をしているのかもしれない。シャワーを浴びながらそんな事を想像していた。

シャワーを浴び終えてやる事が無くなった。タバコでも吸いに行こうとビールを持って1Fのロビーに降りると、エントランスの階段を上がってくるDが見えた。ちょうどのタイミングで会えたのはいいが、心配して階下まで様子を見に来たみたいなテイになっていて恥ずかしい。

「なにしてるの?」

「タバコを吸いに来た。部屋で吸えないから。」

言い訳ではない言い訳をして、彼女がIDカードをフロントに預けるのを見届ける。タバコを吸うから少し待てとお願いをして、外に出てタバコを吸う。

すぐに戻るとは言ったが本当にすぐだった。おそらく20分ぐらいの時間だろう。想像以上に近くに住んでいるようだ。

「早いね」

「ごめんね」

「Dの家は近いの?」

「とても近い」

詳しく聞いても理解出来ないと思い、話をやめる。タバコを吸い終わり、今度は二人揃って部屋に入った。

ベッドに腰を掛けて飲みかけのビールを飲む。彼女にビールを飲むかと尋ねたが、要らないと言って水を飲んでいる。飲む気がないならさあ、始めようじゃないか。洗面所に行って歯磨きを始めながら彼女に言う。

「オレはもうシャワーを浴びた」

「オッケー。じゃあ私がシャワーに行く」

「オッケー」

歯磨きを終えて彼女がシャワーに行くのを見届ける。先にベッドに入りながらこのあとのことを考えていた。私が彼女を気に入っているのは彼女が綺麗だからという理由だけではない。彼女がどう思っているかは知らないが、私的には体の相性がいいと思っている。彼女もそれを楽しんでいるように見えるし、私も充実した夜を過ごすことができる。だからまた彼女と会いたくなるのだ。ただ問題は彼女のおっぱい拭き行為だ。馬鹿らしい問題であるが重要な懸案事項である。これが無くなれば彼女はパーフェクトなのだ。そこで、この問題をなんとか解消出来ないものかとひとつの作戦を試みようと考えていた。Dはおそらくシャワーを浴びた後バスタオルを身体に巻いてベッドに入る。元凶はこのバスタオルであり、コトが始まったらさりげなくバスタオルを剥ぎ取り、遠くへ放り投げてしまおう。そういう作戦だ。成功のカギはおっぱいに触れずに彼女を感じさせる事。彼女を夢中にさせてバスタオルの存在を忘れた隙に放り投げる。これである。

何事もないように半分寝たフリをしながらDを待つ。しばらくして彼女がベッドに入ってきたのが分かり、私は左腕を彼女の頭の下に忍びこませて華奢な肩を抱いた。少しの間この癒しの時間を楽しんでいると、彼女が頭を起こし私に覆い被さってきた。彼女から攻めてくることは予定になく、少し戸惑ったが、そこは渡りに船だ。彼女に身を任せる。やがて攻守交代となり、いよいよ作戦実行の時を迎えた。

彼女に気づかれずにバスタオルを放り投げた。成功である。あとはDのおっぱいを舐めるだけだ。だがここでちょっとした迷いが生じる。彼女の盛り上がりと順番を考えると、なんだか今更おっぱいを舐める必要があるのだろうか。もうこのまま続けて最後を迎えられたら私もDも満足なのではないかと感じる。余計な落胆をするよりもそれが賢明なように思う。そう思ったのだがやはり試してみたくなり、彼女のおっぱいを舐めた。Dが色っぽい声を洩らす。が同時に彼女の左手はなにかをまさぐっている。こんなことがあるのだろうか。彼女は気持ちいいのと悪いのと一体どっちなのだろう。だがどちらにせよ今日は私の勝利だ。彼女の左手は彷徨ったままだ。そう思った。

瞬間、おっぱいを拭かれた。

オレの唾液は何者かによって拭き取られた。見ると彼女の左手には真っ白な枕カバーが握られていた。カバーというより枕本体だ。

負けた。完敗だ。私は諦めて次の工程に移った。近くに布がある限りDに勝てない。だが戦いはベッドの上。むしろ布しかないといえる。いっそ屋外に連れ出してやろうか。今度はそのまま『青姦マイ?』とでも言ってみようか。そんなくだらない事を考えながらも、満足な最後を迎えた。

朝方6時頃、ソンに起こされる。昨夜の攻防に疲れたのかDはまだ眠っている。昨夜はあまりお酒を飲まなかったせいか、私もソンも爽快な目覚めだった。Dの寝顔と布団から肌蹴て見えている細くて綺麗な足を見ていたら、我慢出来なくなった。

寝込みを襲って最高の朝を迎えた。もうおっぱいを舐めるのはやめた。そもそもどうしても舐めたい性癖がある訳でもないし、余計な合いの手が入らないおかげでスムーズだ。彼女もご機嫌でシャワーを浴びに行った。

Dがシャワーから出て着替え終わる。帰るね、と言うので前回同様のチップを渡す。Dはありがとうと言ってバッグにお金をしまった。

「階下まで送るよ」

「オッケー」

私も簡単に着替えて一緒にロビーに降りる。フロントでIDカードを受け取った彼女は元気良く手を振ってエントランスの階段を降りていった。

彼女の後ろ姿を眺めていると、彼女がホテルの地下駐車場に繋がるスロープをくだって行くのが見えた。なんであんな所に行くんだろう。下にモタサイがいたのだろうか。そう思いながらタバコを吸い、スロープから上がってくるDを待ってみた。少しして出てきたのは車を運転するDだった。彼女は私を見つけると運転席から笑顔で手を振り軽快に走り去っていった。

(次回に続く)