安定か挑戦か いよいよラストナイト!

安定か挑戦か いよいよラストナイト!

パタヤ旅行3日目。最終日を迎えた。明日の早朝にはタクシーに乗ってパタヤを出なければならない。最後は楽しい思い出を詰めてタクシーに乗り込みたい。小アマゾンに今日も会おうか。そうすれば間違いなく楽しい夜になるだろう。それとも更なる新たな出会いを期待しようか。昨日とは違う楽しさが待っているかもしれない。

さて弟はというと、素朴ちゃんとの夜がいまいちだったようだ。彼女が良い悪いではなく、タイ語しか話せない相手に苦戦したようで、ほぼ無言の夜だったと言う。だから最後の夜は失敗出来ない。きっとそう思っているはずだ。

はやる気持ちを抑えられず、今日も夕方の明るい時間からホテルを出てウォーキングストリートに向かった。ソンテウの乗り方は昨日小アマゾン達と乗って理解していた。乗りたい時に乗って降りたい時にブザーを鳴らす。とても便利で快適だ。

ソンテウを降りてウォーキングストリートに入る。ここは昼と夜では全く顔が違った。いまの閑散とした淋しい雰囲気からは夜の賑わいは想像し難い。ここに限っては昼間より夜の方が明るいのではないだろうか。

時間潰しでウォーキングストリートの端まで歩いてみる。10分程で桟橋が見え、いつの間にか正面には昨夜Beer Garden から眺めていたPATTAYA のサインが見えていた。サインが大きく見えてちょっとだけ足を止めたが、暑いし長居は出来ない。

「どうする?戻ってマッサージでも行く?」

「そうしようか」

ウォーキングストリートをまた戻って歩き出す。

すぐにマッサージ店があった。”わたしゃこの道50年だカー”と言わんばかりのベテラン婆さん達が店前に座って呼び込みをしている。

「あそこでいいんじゃない」

「あぁ、そこで別にいいよ」

昨日はIKKO相手に若干の躊躇を見せた弟だったが、枯れた婆さんなら安心とでも思ったか、すんなり店に入る。クーラーが効いていて気持ちがいい。やっぱりサバーイである。

今日は2人ともタイマッサージを選択。先客の居ない2階の部屋に案内され、心地よくベッドに寝そべる。と、弟が騒ぎだした。

「えー!なんでオレは着替えるの!? いいよ、このままで!」

「No!これに着替えて!」

「嫌だよ、なんでオレだけ?この人はこのままじゃん」

…ちょっと!オレを巻き込むんじゃない笑 指を指すんじゃないよ笑…

確かに私は着替えろと言われていない。

自分だけマッサージ用の服に着替えろと言われて嫌がっている。私がこのままなのは不思議だが、どんだけ嫌なんだよ笑 IKKOさんに続き、まさかの婆さんにまで吸われると思って恐怖している。

…弟よ、ここはリラクゼーションの場だぞ。騒ぐでない。笑…

見て見ぬふりをして笑いを堪える。どうやら着替えずにやることになったようだ。

1時間があっという間に経つ。着替えを拒否した成果なのか弟も無事に帰還したが、自分だけ着替えを要求されたことが腑に落ちないらしく、しばらくの間ぶつくさ言っていた。

マッサージを終えて外に出ると、バーやレストランのネオンが点き、ウォーキングストリートの夜が始まっていた。この道のどこかに今日出会うべく相手がいる。そう思うとやはり気分が高揚する。さあ、今夜の相手を探しに行こう!

実はマッサージを受けている間、今日はどう動くべきかと考えていた。小アマゾンと再度過ごすのがいいか、新たな出会いを探すのか。悩んだ挙句に決めたのが新たな出会いだった。小アマゾンの魅力も捨てがたいが、せっかくパタヤまで来たのだからもっとゴーゴーバーを楽しみたい。そう決めた。

BACCARAからスタートして数件バーを覗いてみた。だが気に入ったコは見つからず。弟も同様だった。ビールを一杯飲んでは店を変え、また一杯飲んで店を変え、数件それを繰り返す。次はどこへ行こうかと迷っていると、思い出した女の子がいた。

「そうだ、INFINITY に行っていい?」

「どこだっけ?それ」

「昨日、キラキラちゃんがいたとこ。」

「あー、あそこか。別にいいよ。キラキラしてないけど。」

早速INFINITY に入る。昨日とは反対側の席に案内される。ビールに少し飽きてきたのでコーラをオーダーする。ステージに目を向けて目的のキラキラちゃんを探すが、やっぱりこの店は女の子を探しにくい。

「お、いた!いた!あのコじゃない?」

「あー、それっぽい。たぶんそうだよ」

「やっぱ可愛いよね?」

「うん、可愛いんじゃない」

私の右隣りの離れた位置に座っていた。昨日も近くで彼女を見た訳ではないので確信はないが、おそらく彼女だ。

オーダーしていたビールとソーダが届く。

「ん?? オレ、コーラ頼んだけど」

「オレ、ビール」

「じゃ、このソーダは?」

「うける笑 コーラがソーダ!笑」

「え?どういうこと?」

コーラをソーダと聞き取ったらしい。コーラすら通じないとは恥ずかしい。仕方なく味のしないソーダ水を飲んで気をとりなおし、再度彼女を確認する。目が合うと彼女が笑った。やはり彼女だ。

「どう?大丈夫?間違ってない?」

「知らないよ笑 でもたぶんそうでしょ」

「じゃあ、呼んでいい?」

 「どうぞ、どうぞ」

私は彼女に、隣りに座る?とジェスチャーで伝えた。彼女は理解したようで笑いながら小走りで私の隣りに来た。

「はじめまして」

彼女と握手をする。

「何か飲む?」

そう言うと、彼女はありがとうと言ってドリンクを頼んだ。

「どこから来たの?」

「日本から」

「ホリデー?」

「そう」

「今日は何日目?」

「3日目。昨日ここで君を見て可愛いと思った」

「ホント?ありがとう!」

昨日の彼女を見た印象では、静かでまだあまり馴染んでない感じだったが、予想とはちがって元気で仕事にも慣れているようだった。

彼女のドリンクが届いたので3人で乾杯をする。皆がそれぞれのドリンクを口に運んだその時、一人の女の子が我々の前を通過していった。

「あれ?」

「あれ?」

私と弟が同時に呟いた。

「今のコじゃない?」

「やっぱり!!?」

「いや絶対そう!あの顔だったもん」

二人で今通って行った女の子の行方を目で追う。やはりあのコだ。

「え!?じゃあこのコ誰?」

「影武者じゃね?笑」

「えー!、どうしたらいい?」

「知らないよ笑」

「あー やっちゃった。。。」

「てか、全然似てなくね?」

「似てない。。。笑」

隣りに座っている影武者は一体何があったのかとポカーンとしている。

「ねぇ、オレどうしたらいい?」

「いいじゃん、このコで。可愛いし笑」

「えー、だって目キラキラしてないぞ?」

「今さらそこ?笑 」

いや、困ったぞ。どうするべきか?弟の言うように、このコも充分可愛いので、このまま押し切るのもアリか。だがこのままキラキラちゃんを呼ばずに帰ったらあとで後悔するはず。ここはチェンジをするべきかもしれない。私は正直に彼女に話した。

「ごめんなさい。私は彼女が好き」

そう言ってキラキラちゃんの座る方向を指さす。

この一言だけで理解をしてくれたようで、

「あー オッケー。彼女を連れてくる?」

「いや、あとで大丈夫」

「オッケー」

嫌な顔ひとつせずに彼女は私の隣りから離れていった。

…彼女いいコだったな。悪いことしちゃっな…

だがこれでひとまずホッとする。喉が渇いたのでソーダを飲み干す。本当はコーラが飲みたかったが、もう恥ずかしいから頼めない。コーラを諦めビールをオーダーした。

(次回に続く)