マッサージ嬢に勝利せよ!

マッサージ嬢に勝利せよ!

パタヤ旅行2日目。夕方5時頃ホテルを出てウォーキングストリートに向かう。

暑い。歩くとすぐに汗が噴き出してくる。だが昨日の朝までは寒い日本で凍えてたんだと考えると、この暑さも嬉しくなってくる。

ゴーゴーバーがオープンするまではまだ時間があった。

「どうする?とりあえずマッサージでも行ってみる?」

「おう、いいよ」

「じゃあ、その辺の店に適当に入ろう」

「オッケー」

 パタヤではマッサージ店を探すなんてことはない。街を歩いていれば視界の中にはいつもマッサージ店がある。店を選ぶことはあっても探すことはないだろう。案の定、我が弟は早くもマッサージ嬢に道を塞がれていた。IKKOさん風のパンチの効いた大型マッサージ嬢?にがっちり腕を掴まれている。

「ここでいいんじゃない?笑」

「えー⁉︎  大丈夫?オレ。IKKOさんだけど」

「マッサージするだけだから、いいんじゃない?笑」

「まぁそうだけど…」

「オレ、フットマッサージにするけど、どうする?」

「じゃあオレはタイマッサージにするわ」

店の扉を開けるとクーラーの冷たい風が流れてきた。

「おー涼しいー!これがサバイ サバーイてやつだな笑」

大きな1人掛けソファに案内されて座る。実に気持ちがいい。

タイマッサージを選んだ弟は店の奥のさらにカーテンの向こうに連れ去られていった。

考えてみるとお店でマッサージを受けるなんて贅沢は初めてかもしれない。

あっという間に1時間が経ちマッサージが終了。施術後のサービスのお水を飲み、200Bを支払い店を出た。

「いや気持ちよかったー。タイマッサはどうだった?」

「あぶなかった」

「は?なにが?」

「IKKOにヌかれるとこだった」

「え?笑」

「あいつ、ろくにマッサージしないで、すぐ触ってくんだよ!最後結局吸われたし!マジ怖かった。反応しちゃったけど笑」

場所も見た目も普通のマッサージ店だったので、まさかそんな事があるとは思っていなかった。

「頼んでもいないのに勝手に吸ってくるし、でもイってないからノーチップでしょ!」

と勝手なルールに勝利してチップは払わずに出てきたらしい。

そんな話を聞きながらウォーキングストリートをぶらついてみたが、まだ時間が早いようでゴーゴーバーはオープンしていない。時間潰しに一杯飲もうと昨夜B達と行ったFLOGに入り、緊張気味にバービアのカウンターに座った。

カウンターにいたお姉さんが、オーダーしたLEOビールを持ってくると早速話しかけてきた。どこから来たのか、休暇か仕事か、パタヤは何回来たか、などなど挨拶的な話から始まり、意味がわからない事はGoogle翻訳を使って見せて話をしてくる。そのうち4目並べ的なゲームを持ってきたのでやってみたが彼女には全く勝てない。彼女は隣りでおとなしくビールを飲んでいた弟にも4目並べをしようと誘った。

「次はあなた。私とやろうよ」

「あ、オレはいい。やらない」

「え、やってみれば?超強いから笑」

「いや、いい。サッカー観てるから」

素っ気なくそう言ってバーのモニターから流れているどこぞのサッカー中継に目を戻した。

…どうした、弟よ。バービアのカウンター席に恐れをなしたのか?…

…まさか、IKKOに吸われて賢者モードになってるとか⁉︎…

それとも単に退屈なのか居心地が悪いのか、とにかく弟の反応がよろしくないのでバーを出ることにした。

再びウォーキングストリートに戻るとゴーゴーバーはすでにオープンしているようで俄かに活気づいていた。昨晩はたった一軒のバーで完結してしまったから、今日はたくさんのバーを調査して、その中から最高のレディーを見極めるつもりだった。だが、コスチュームを着た女の子達がバーの呼び込みを始め、歩いてる我々にも声を掛けてくる。また一気にテンションが上がってしまった。また冷静ではいられないかもしれない。

(次回に続く)